韓国ドラマ 国民死刑投票(국민사형투표)とケタル(개 탈)

ドラマ

以前から気になっていた韓国ドラマの『国民死刑投票(국민사형투표)』がアマゾンプライムで視聴できるようになっていたので、早速見てみました。

全12話でしたが、ストーリーや俳優さんの演技が自分好みでドハマりしてしまい、3日で一気に見てしまいました。

細かなストーリーやネタバレ的な内容はここでは触れませんが、面白かった点や、このドラマを見るまでは知らなかったケタル(개 탈)という言葉、印象的だったセリフをまとめたいと思います。

面白かったところ

このドラマを面白く見れた点は、ストーリーと俳優さんたちの引き込まれる演技だなと思いました。

個人的にはシリアス、推理、社会問題性が含まれたストーリーが好きなのですが、まさにそれらの要素が含まれたドラマでした。

비밀의 숲(秘密の森)や시그널(シグナル)、少し違いますが나의 아저씨(マイ ディア ミスター) などが同じく好きなジャンルです。

また原作は梨泰院クラスとも同じ最近流行の 웹 툰(WEB TOON)でしたね。

タイトルにあるとおり「国民死刑投票」というものを一般市民としては心のどこかでアリだと思ってしまう心理などを韓国らしい表現でうまく表していると思いました。

財閥や権力者やその家族の不正を成敗する、こういうテーマは韓国ドラマでは本当に多いですが、逆に日本ではなぜそこまでテーマとして上がらないのかと考えると、

それらに目を向かないような仕組みになっているのか、もしくは、目が向くほど一般市民は社会に不満を持っていないのか、なんてことも考えさせられます。

また、引き込まれる演技と言えば、권석주(コン・ソクチュ)役の박성웅(パク・ソンウン)の演技がすごかったですね。

ドラマの中では最後まで辛い役で、こんなに怒りや悲しみを表現できるってすごいなと感心してみてしまいました。

ケタル(개 탈)

アマゾンプライム配信での字幕では「ケタル」訳されていましたが、この言葉もこのドラマを見るまで知らない言葉でした。

韓国語では개(ケ・犬)と 탈(タル・仮面)を合わせたことばで、「犬の仮面」という意味です。

韓国語を少し勉強した人でも「仮面」と言えば「가면(カミョン)」という単語で漢字語でもあるので、馴染みがあると思います。

ただ、同じ「仮面」の意味で「탈(タル)」という単語があることは外国人にあまり知られていないのではないでしょうか。(普通に習っている人もいるかもしれませんが、私は全くピンとこない単語でした。。)

単語には馴染みがありませんでしたが、下の画像の「양반 탈(ヤンバン タル・両班 仮面)」は目にしたことのある方も多いと思います。

「가면(カミョン)」と「탈(タル)」の違い

単純な言葉の翻訳だけで言えば、「개 가면」も「개 탈」も両方「犬の仮面」という意味で使えます。

ここからはあくまで私の解釈ですが、「가면(カミョン)」は「仮面」全体を表す広い範囲で表すことのできる言葉で、「탈(タル)」はその一部の特定したものになるかと思います。

「가면(カミョン)」の「仮面」は、このドラマに出てくる犬の仮面や、上記の「양반 탈(ヤン バンタル・両班 仮面)」、日本でいえば屋台にあるようなお面から、頭がすっぽり隠れる馬やキャラクターのかぶりものなども含めてすべて「가면(カミョン)」と言えます。

その中で「탈(タル)」は、いわゆる「お面(おめん)」と日本語で表現するような顔の表面が隠れるようなものだけを指す言葉と言えます。

こんな かぶりモノ も「가면(カミョン)」です。

印象的だったセリフ

最後にドラマで印象的だったセリフを紹介します。

『내 정의는 지독하게 상식적이니까(オレの 正義は 恐ろしく 常識的だからな)』です。

回想シーンも含めて何度か出てきたセリフですが、これは主人公の김무찬(キム・ムチャン)が裁判所の前でコン・ソクチュに言ったセリフで、

その後、ケタルの口からも『우리의 정의는 상식적입니다(私たちの 正義は 常識的です)』と同じようなセリフがありました。

「정의(正義)」と「상식(常識)」という、人によって、また立場によって異なる概念であるこの言葉がこのドラマのキーワードでもあったな思いました。

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