日本の大阪にある天政松下という会社が作ったキムチの名前に「개존맛(ケジョンマ) キムチ」という名前を付けて販売したことが話題になっており、その話は韓国でも議論されることとなり、最終的にはその名前の変更を余儀なくされました。
それでは、この「개존맛 김치(ケジョンマ キムチ)」の「개존맛(ケジョンマ )」とはどういう意味なのか?また、なぜこの言葉を使わない方が良いということになったのかについて解説します。
개존맛(ケジョンマ)とは
まずは「개존맛 (ケジョンマ)」というのは、優しく訳すと「とてもおいしい」という意味です。
この言葉は「개(ケ)」と「존(ジョン)」と「맛(マッ)」を合わせた言葉で、俗語と言われる最近使われるようになった言葉です。
最後の「맛」は「味」を表す言葉で、「맛 있어요(マシッソヨ)」は「おいしい」という意味で、韓国語を知らない人でも知っている言葉かと思います。
この言葉のポイントであり問題になっているのは「개(ケ)」と「존(ジョン)」についてです。
「개(ケ)」は「犬」の意味で、普通に「犬」を意味する単語でもありますが、韓国語の悪口でよく使われる言葉です。「犬」+「悪口」で、「悪口」を強調する言葉になります。
また、「존(ジョン)」は「존나(ジョンナ)」という言葉から来ており、こちらも優しく訳すと「めちゃくちゃ」や「とても」という意味です。
更に「존나(ジョンナ)」について namu.wiki/ で調べると、「男性の性器」を意味することが語源で『「매우~, 너무~, 엄청~ 훨씬~, 아주~ 굉장히~」などの対象を強調するときに使う俗語である」とあります。
他にもこんな表現も
他にも「とてもおいしい」という意味の俗語に「존맛탱」や「핵존맛」という言葉もあります。
「존맛탱」は既に解説した「존」と「맛」に「탱」という言葉が加わり、「탱」という言葉には特に意味がなく『可愛らしい』音の響きを表現しているようです。
「핵존맛」は、「존」と「맛」の前に「핵」が付いており、この「핵」は漢字語で「核」
の意味で、「核爆弾ぐらい『すごい』」という意味です。
日本人からすると「核」という言葉を気軽に使っていることに少し違和感を感じますが、韓国人からすれば関係ない話なので、強調する言葉として気軽に使われているのでしょう。
今回話題になった理由
そんな「개존맛(ケジョンマ ) 김치(キムチ)」=「とてもおいしいキムチ」という商品名ですが、どうしてそこまで問題になったのでしょうか。
理由は二つ。
1つは上記で解説した通り、意味は「とてもおいしい」という意味でも、悪口を強調するときによく使われる「개」に加えて、もともとの語源がきれいでない「존(나)」を使っていたこと。
そしてもう一つは、韓国を代表する食べ物であるキムチの商品名にこの言葉を使ったこと。
です。
これは、たとえ韓国と関係ない日本の会社が販売したキムチであったとしても、韓国を代表するキムチに対して、汚い韓国語表現での商品名を付けるのはよくないということになったのだと思います。
これは私の解釈ですが、
例えば「とてもおいしい寿司」という日本語の商品名のお寿司を海外のスーパー売っているときに商品に『糞うまい寿司』と日本語で表記されたときに私たちはどう感じるでしょうか。
この例でしっくりくる人もいればこない人もいると思いますが、今回の件はそんな韓国語の俗語が話題となったお話でした。
最後にこの「존(나)」という言葉は普通の韓国語の教科書や辞書にも載っていないですが、若者の中ではよく使われる言葉です。
使っている当人は語源を知らず、「とても」や「めちゃめちゃ」という意味で若者言葉として使っているので、皆さんも友達同士で使う分には気軽に使ってみてください。
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