ドラマ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌(韓国語タイトル:이상한 변호사 우영우)」、面白いですよね。
このドラマの一話目から出てくるヨンウ弁護士の自己紹介にある
『똑바로 읽어도 거꾸로 읽어도 우영우입니다』というセリフについて、改めて日本語と比較しても面白い言い方だなぁと思ったので、解説しようと思います。
『똑바로 읽어도 거꾸로 읽어도 우영우입니다』とは、日本語に意訳すると「(私の名前は)上から読んでも下から読んでもウヨンウ(우・영・우)です」となります。ハングルでは「영」の一文字でヨンなので同じになりますね。
この表現の前段を直訳すると「まっすぐ読んでも逆から読んでも」となります。
『똑바로(トッパロ)』は『まっすぐ』で、『거꾸로(コックロ)』は『逆で(から)』という意味で、日常会話でもよく出てくる単語ですが、同じ文章の中で使われることが経験上あまりなかったので、その点が一つ面白いなと思ったところです。
『똑바로(トッパロ)』は、親が子を、彼女が彼氏(逆でもいいですが 笑)を怒るときに使われるイメージがあります。
『똑바로(トッパロ)』+『動詞』で、「ちゃんと○○しろよ!」って意味になります。
『똑바로(トッパロ)』+『말해(マレ)』で、「ちゃんと言え!(話せよ!)」や、
『똑바로(トッパロ)』+『서(ソ)』で、「ちゃんと立て!」、
一番シンプルなのは『똑바로(トッパロ)』+『해(へ)』で、「ちゃんとしろ!しっかりしろ!」という感じでしょうか。
『거꾸로(コックロ)』+『動詞』で、「逆に○○している」という意味で、『똑바로(トッパロ)』のように強い言い方で使うことはほとんど無いです。
『거꾸로(コックロ)』+『입었다(イボッタ)』で、「(服を裏表)逆に着ている)」という意味で聞いたり使うことが多いです。子供に話すときや、私自身もたまに裏表逆に来てしまうことがあるからだと思います。
もう一つ面白いと思ったのは、ここまでの翻訳でお気づきかもしれませんが、日本語で同じ表現をしたときは「上から読んでも下から読んでも」といい、これは日本語が縦書きの文化から「上から」というのだと思いますが、韓国語では上からとは言わないようです。
韓国語(ハングル)でも昔の書物を見ると縦書きの文化があったとは思うのですが、表現するときは「上から」ではなく、「まっすぐ(ちゃんと)」という言葉をどこからか使うようになったんですね。
余談ですが、このドラマの日本語タイトルって少し韓国語の原題と違うことにこのブログを書きながら気づきました。
日本タイトル:「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」
韓国タイトル:「이상한 변호사 우영우」
변호사(ビョノサ)は弁護士、 우영우(ウ・ヨンウ)は名前なので、이상한(イサンハン)を訳すときに「天才肌」としたんでしょうね。
物語上、이상한を天才肌とするのも間違ってはいないと思いますが、이상하다という言葉自体は漢字語で「異常な」となり、ネガティブな意味にも、そうでない意味にもなります。
この言葉を訳すときに万能な日本語訳としては「変わった、可笑しな」が分かりやすいかなと思います。
「天才肌」という意訳も面白いですが、私なら「変わった弁護士 ウ・ヨンウ」、「可笑しな弁護士 ウ・ヨンウ」と原題に近い形のタイトルの方がドラマのイメージにも近いかなと思いましたし、
韓国語タイトルには『낭만덕터 김사부(浪漫ドクター キム・サブ)』や『최고다 이순신(最高です! スンシンちゃん)』と最後に名前を持ってくるタイトルが多いので、日本語訳でも最後に名前を持ってくる方がしっくりくると思いました。
(最高です! スンシンちゃん)って、なんで翻訳者は「です!」とか「ちゃん」を付けちゃったんだろう。。
コメント