韓国語を習って10年以上になりますが、知らない言葉や表現はいくらでもあります。
普段の生活で言ったり聞いたりする言葉も限られているので、ドラマなどを見ながら意識的にインプットしながら勉強できたらと思います。
今回は3つ「찐하다」「잠수 타다」「자책」
現在ハマっている「賢い医師生活(슬기로운 의사생활)」シーズン2の11話を見ながら気になった表現です。
찐하다
Naver 辞書によると、찐하다は『(後悔で)胸が痛い, (何となく)気にかかる, (悔まれて)心苦しい』とあります。
찐하다 とそのまま言ってもいいし、찐하네(胸が痛いね)とか 찐하네요(胸が痛いですね) と会話で使われると思います。
11話の場面では、ジョンウォンとお母さんとの会話で出てきました。ジョンウォンの彼女のカウルのお父さんがお母さんに暴力をふるっており、幼少期から苦労していた話をジョンウォンがお母さんに話します。
そこでお母さんが
「그런 환경에서 잘 자란게, 대견하다 싶고, 짠하고 그래,,,」
「そんな環境でちゃんと育って、感心だし、胸が痛いよ」
と言っています。
ちなみにこのシーンの伏線として、
カウルの弟は父親のこの件を結婚を予定していた彼女に話したところ、彼女の両親にも結婚を反対され、解消されてしまいました。
ジョンウォンのお母さんはこの話を聞いてどう反応するのかを心配しながら打ち明けるのですが、やはりジョンウォンのお母さんは懐が深いので、
今後の交際を反対することもなく、짠하다と、理解してくれるのでした。
このドラマの全般的な良いところですが、基本的に人の良いところ、情深いところが最終的に描かれているので、見ていていつも心が安らぎます。
韓国である程度の視聴率を得ているのは、自分も周りもこうだと良いなと潜在的にみんな思っているからなのかなと思ってます。
잠수 타다
잠수 타다 = 「音信不通になる」,「雲隠れする」,また、日本語で俗っぽく言えば「バックレる」 という意味です。
単語自体を直訳すると
잠수は潜水、타다は乗る で、「潜水する」という意味かと思いますが、音信不通になるという意味なるとはこのドラマで聞くまでは知りませんでした。
ドラマでは2年目の研修医キム・ゴン先生が、いきなり病院に来なくなり、みんなで心配する場面がいくつかあり、잠수 탔다を連発します。
このシーンではカウルが同じく2年目の研修医ファン・ジウ先生にキム・ゴン先生がなぜ雲隠れしたのかを話すシーンです。
「정말? 그래서 잠수 탄 거 같다고?」
「本当?それで雲隠れしたんだって?」
普段の会話で誰かが雲隠れすることはほとんどないので、使うことはない表現ですが、ドラマや映画ではよく出てきそうですよね。
자책
자책は自責という意味です。
漢字語なので、意味を知らなくても韓国語が少し分かる日本人ならなんとなく分かる単語です。
ただ、ここで取り上げたのはドラマを見ながら「自責」って言葉を日本語でもあまり使わないなと思ったことと、
この言葉がセリフと出ること自体が、このドラマの心温まる、人として大事な部分を表現していることだなと思ってのことです。
ドラマの中では잠수를 탄(音信不通になっていた) キム・ゴン先生が無事に復帰した後、ジョンウォンと中庭で잠수를 탄理由を聞く場面で出てきます。
キム・ゴン先生は自分が見ていた患者さんの容態が急変して亡くなってしい、自分は研修医として何もできなかったと、無力感、自責感で病院に来れなかったと言います。
それに対してジョンウォンは、すべての患者の命を救えるわけではないし、
「너무 자책하지 말고」
「そんなに自責で考えないで(自分のせいにしないで)」
と声をかけ、またのマインド自体が素晴らしいと褒めて勇気づけてあげます。
日本語でも自責の念という言葉はありますが、韓国にいてそれをしたり言ったりしている人をあまり見ることがなかったので、
そういう思いってあるんだなぁと感心しました。(嫌味でなく)
ちなみに反意語で「타책(他責)」もネイバー辞書にはないですが、韓国語でも意味は通じるようです。
なんとなく現代は他責にすることで自責を逃れようとする風習が強く、それじゃあ個人的な成長や発展ってないのになぁと
客観的に人をみることがありますが、
この考え自体も古いのかなぁと思ってたりもしました。
私の若い時は(라떼는 말이야)、「自責で考えろ!!」とよく上司に叱られたものです。
そんな今の韓国人にとって大事なことがメッセージとしてこめられたドラマだなぁと思いながら視聴しています。(韓国人だけではないですけどね。)
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